【クラフトビール🍺】三瓶のホップが香る!出雲発泡酒『ITONAMI BEER』誕生秘話

取材

島根県出雲市で、地域への愛と情熱が詰まった特別なクラフトビールが誕生しました。その名も「出雲発泡酒 ITONAMI BEER」。島根県大田市の三瓶山の麓で大切に育てられたホップを原料とし、柔らかく上品な香りが特徴の瓶入り発泡酒です。
お披露目会とホップを栽培されている農家さんを取材しました!

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』

『ITONAMI BEER』おいしさの秘密は2ホップと麹

このビールの特徴は、三瓶山の麓で自然農法をしている農家さんに畑を借りて育てたホップ。そして、日本酒の製造過程でできた麹を使用していることです。

出雲市の板倉酒造 杜氏の小島氏と大社町のBSKK CHEERZ FACTORYが手を組んで誕生しました。

※板倉酒造は明治4年創業の老舗酒造で、代表銘柄は「天穏」です。

きっかけは三瓶の自然農法の畑

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』ホップ栽培している様子

ホップ自体は日本でも栽培されていますが、生産は岩手県がトップ。
寒さに強い性質で雨風が少ない気候を好むため、栽培は東北地方などが比較的向いています。松ぼっくりのような見た目のホップは、実ではなく花であり、育成には水も重要な要素となります。

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』ホップ栽培している様子

そんな中、杜氏の小島さんが注目したのは、三瓶山で無農薬の畑を作るむかごさんでした。
5年前、その畑を借りてホップの栽培が始まりました。以前から、園芸種のホップがよく育つという話があったそうで、大田市内でも標高の高い三瓶は、涼しくて風通しがよく、ホップが育つ気候条件が揃っているという確信がありました。畑の真ん中には、湧水が流れる清流があるのも栽培に至った条件の一つでした。
かつてワサビも栽培されていて、今ではクレソンも育ちます。
ここならいけるという確信めいたものがあったと杜氏の小島さん。
すぐ横にやぐらを立てるとホップの蔓(つる)が巻き付いて、美しい緑の影を作るようになったそう。

ビールの命!三瓶の自然農法ホップ栽培の舞台裏

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』のホップ

収穫は9月ごろですが、ホップは一年ではできません。
上の蔓が枯れて冬を越し、下の株が大きく育つのを待ちます。驚くことに「ほぼほったらかし」と語られていましたが、これは自然農法の賜物。香りが強いためか、虫もあまりつかないそうです。

当初は5年後くらいから本格的に使えると考えていたそうですが、栽培途中で病気になることもありました。通常であれば薬剤で対応するところですが、薬を使うと香りが弱まるという信念から、自然農法の道を選択。葉に酢を使って対策するというむかごさんならではの知恵で乗り越えられました。手間暇と愛情が、この特別な三瓶ホップを育んでいるのです。

丁寧な作業が旨いビールを作る

ホップは、アサ科のツル性の多年草です。原産地はヨーロッパで、別名セイヨウカラハナソウとも呼ばれています。
日本にも固有種はありますが、天然のリーフホップを使っているところは少ないそうです。
ビールに使用されるのは雌花、松ぼっくりのような見た目の球花(きゅうか)だけで、球花に詰まっている“ルプリン”という成分が、ビールに香りや苦みをもたらし、泡の持ちを良くしているそうです。

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』ホップ収穫作業の様子

収穫はやぐらに巻き付いた蔓をはがすように切り取って、ひとつひとつ丁寧に摘んでいきます。巻き付いた蔓は野性的で、前からそこにずっと生えていたような雰囲気。
発掘スタッフも蔓からホップを外す手伝いをさせてもらいました。むかごさんの秘密基地のような納屋でワイワイ話しながら楽しく作業しました。
摘んだものはザルに広げて干して冷凍保存します。取材した日には約5kgを収穫。この量で400ℓを2回、約800ℓのビールが一か月半くらいで出来るそうです
花の中の成分が独特のいい香りを放ちます。

シャンパンのような発砲

ホップは余韻のある香りを見越して何種類かを植えたそうです。やはりその土地に合わせて育つものが良いだろうと。
出来上がったビールは小島さん曰く「派手ではないけど日本酒のように、柔らかい香り」とのこと。緑の瓶のラベルにはホップのイラストが描かれています。
このビールはシャンパンのようにガスのきめが細かく、瓶内で発酵している限り何年も持つそうです。(瓶の中で酵母が再発酵を行う瓶内二次発酵ビール)

出雲市のカフェ 高濱庭園でお披露目会

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』高濱庭園でお披露目会

クラシックな風情のレストラン、高濱庭園には約20人が集まりました。
『ITONAMI BEER』のお披露目です。
着物姿の小島杜氏はもちろん、三瓶ホップを育んだむかごさんの姿もあります。
もちろん最初はITONAMI BEERで乾杯!

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』

 

飲むとビール独特の苦みもありますが、青い柔らかい香り。
日本酒のイメージがあると言うと、先週搾ったばかりの純米酒も並べてくれました。
あまり一緒に飲むことはないのですが、続けて飲んでも違和感がないのが不思議。
テーブルにはお酒に合う料理が並び、参加者同士で話も弾みました。

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』高濱庭園でお披露目会

出雲発泡酒『ITONAMI BEER』高濱庭園でお披露目会

日本の地酒

小島杜氏は、お酒とは「御神酒」というように自然と生命の営みに対してささげられたもの、日本の土地から生まれたものを酒に変えて、共有できればそれは日本の酒という考えから日本酒やどぶろく、リキュールを作っていました。そしてそれならビールも作ろうと思ったそうです。

一般的にビール造りでは、圧縮された原料を買ってきて麦芽も買って発酵させるということが多いのですが、それでは地酒とは言えない。そう考えた小島杜氏が「まずホップを育てるところから始めたい」と思った時に、真っ先に浮かんだのが三瓶のむかごさんの顔でした。農薬を使わずに自然の力で野菜を育てている彼女は杜氏の良き理解者ったのです。

お酒の原料を育てた人、お酒を作った人のもとに人が集まりました。
共有した仲間たちは唯一無二の時間を過ごしました。

来年も三瓶山で、この特別なホップが収穫されることでしょう。島根が誇る新たな「日本の地酒」として、『ITONAMI BEER』の今後の展開に期待が膨らみます。

出雲発泡酒ITONAMI BEERについて

出雲発泡酒ITONAMI BEER
ABV:5%以上6%未満
内容量:1800ml
販売価格:5,500円
高濱庭園で販売

高濱庭園について

高濱庭園
<TAKAHAMAGARDEN>
住所:出雲市大社町杵築東463-1
TEL:0853-25-8999
定休日 毎週火曜日、不定休
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・むかごさん(mukago66 自然農法)
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・小島杜氏 (板倉酒造)
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・チアーズファクトリー
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