日本芸術大賞受賞!国際的に活躍されている糸かけ師~高木菜穂美さん

糸かけアート素敵な人特集

島根県大田市には国際的に活躍されているアーティストが!
市内で「糸かけアート」のワークショップを開催し、自身でもたくさんの作品を手がけられている大田町の高木菜穂美さんを訪ね、作品について、ワークショップなどについてお話を伺いました。

糸かけアートとは

糸かけアート

算数からの探求で「糸かけデザイン研究所」が独自の手法で生み出したもので、
板に釘を打ち、その釘に糸をかけて模様を描くアートです。

作られるのは大田町にある真言宗円応寺、ご住職の奥様で糸かけ師の高木菜穂美さん。
明るい笑顔とテンポの良い関西弁が印象的!ご自身は高野山出身だそうです。
フットワークが軽く、ジャンルを超えてたくさんの人とのご縁を大切にされています。

糸かけアートのワークショップを主宰され、年齢性別問わず多くの人がこの不思議で美しいアートを楽しんでいます。
円応寺は大田の彼岸市のルーツとしても知られていて、江戸時代には現在の大田小学校の元となる寺子屋「玉成館」があった由緒あるお寺。今でも人が集まり学ぶ場所になればとイベントなども開催されていて糸かけアートもその一つです。

ワークショップの様子

糸かけアートワークショップ

今回は和紙会館で開催されたワークショップの様子を見せていただきました。
普段はお寺で行われることも多いのですが、依頼があればワークショップにも出かけられます。
参加者は5名。今回は板に釘を打ってあって糸をかけるところから始まります。
たくさんの糸の中から自分の好きなものを選んで順番に釘に糸をかけていきますが、同じ形でも糸の選び方などで個性が出るので、見ていて興味深いものがありました。
紙漉き体験もできる広いスペースに賑やかな声が響いて、楽しんで取り組んでおられました。
もちろん円応寺でもワークショップも行われています。
お一人でもグループでも可能。和紙会館のように出張ワークショップも開催されています。
美しい世界を是非体験されてください。

糸かけアートワークショップ
円形だけでなく四角形、五角形、雫型など形もさまざま。
かける糸の色や太さ、光沢などにより作る人の個性が光ります。
実は発掘スタッフも体験済みです😊
楽しいですよ~

糸かけアートワークショップ

生み出される美しい模様

糸かけアート

高木さんが手掛けるのは「糸かけ曼荼羅」。
糸かけの最も基本とされる「循環かけ」というかけ方で、決まった間隔で糸をかけていくと全ての釘を巡って元の釘に戻ります。
釘数と糸かけ数に1以外の公約数が無い「互いに素」の時にしかこのかけ方は出来ません。
均等に糸が重なり合うため、最も美しい仕上がりになるそうです。

驚くのは、こういう模様になるというものは、全て高木さんの頭の中にあり、設計図のような特に無いということ。
かけた糸はスタート地点に必ず戻ってきて、幾何学模様が出来上がります。
作ることで癒しの効果もあるそうです。

石州和紙の作品展『かみのいと en-つなぐ糸かけアート展』

糸かけアート

高木さんは石州和紙伝統工芸士の川平正男さんとのご縁で、和紙から作られた糸で作品を作り石州和紙会館で作品を展示されています。
紙の糸を使った作品は初めてで、それまでの高木さんの作品とは違い紙の色や質感のせいか、美しさの中に力強さも感じました。
石州和紙(半紙)は国の重要無形文化財で、ユネスコの無形文化遺産の保護に関する条約に元づく「人類の無形文化財の代表的な一覧表」に記載されています。

国際的にも活躍~日本芸術大賞受賞!

高木さん自身は教えるだけでなく、自分自身の作品も発表されています。
真言宗の総本山高野山の出身でその影響もあり、曼荼羅を取り入れるなどスケール感のある作品が多いのですが、実際に目にすると単純にその美しさに引き込まれます。

曼荼羅の世界観を表現した「つなぐ」、小さな糸かけアートをツリーのように組み合わせた「永遠の愛」、宇宙をテーマにした「はじまり」などを発表。

国内では東京都美術館で開催される「ZEN展」、国際平和美術展だけではなく、フランスのユネスコパリ本部が開催するパリ展では日本芸術大賞も受賞されています。
この他スペイン、ベトナムなど海外の展示会にも出品!すごい人が実は大田市にいらっしゃるんです😲

高木菜穂美さんについて

高木菜穂美さん
住所:島根県高野山真言宗円応寺
Instagram

展示『かみのいと en-つなぐ糸かけアート展』について

かみのいと en-つなぐ糸かけアート展
開催場所:石州和紙会館
住所:島根県浜田市三隅町古市場589
Tel/Fax: 0855-32-4170
開催期間:2025.9.2(火)~10.31(金)

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