「鎧松(よろいまつ)」をご存知ですか?
大田市でもあまり知られていない貴重な在来種の松で、その遺伝子を保存して後世に残す取り組みが進められています。
大田でしか見られない希少な松「鎧松」
大田市役所のロビーで、鎧松の展示セレモニーが行われました。
鎧松はアカマツとクロマツの混種で、大田でしか見られない貴重な在来種の松。
ちょうど鎧の一番下の草摺のように皮が反り返る様子が名前の由来となっています。
外観だけでなく、製材して柱にした時の木目が大変美しく、貴重な高級木材として長押(なげし)や床柱に使われてきました。


減少する鎧松と保存の取り組み
鎧松は大屋町鬼村地区を中心に10km範囲に点在していたと見られ、「大屋松」とも呼ばれていたそうです。
大田市内で10本が発見されましたが、松くい虫の被害により現在確認されているのは、わずか 3本のみとなっています。
この貴重な遺伝子を残すため、接ぎ木による増殖が進められており、邇摩高校の森林科学の授業でも接ぎ木が行われています。
畑で接ぎ木をしているところもありますが、一般の松より成功率が低く、特徴である鎧のような樹皮を見られるようになるには60年から70年かかるということで、その貴重さをより感じました。
林友会の和田秀夫さんは「この貴重な松が大田のあちこちに増えて記念樹となれば」と話されていました。
市内に残る鎧松を巡る


鎧松の見学ツアーにも参加してきました。
17人が集まり、池田の市有林の鎧の形がわかる大木、北の原木工館の敷地内では接ぎ木で育ったもの、多根地区の和田山では自生している鎧松を見学。
野城では、接ぎ木をした苗がビニールハウスで大事に育てられている畑を見せてもらいました。
鎧松はやや赤く、樹皮は普通の松より薄く見えます。説明を受け意識して見ると違いがよくわかりますが、意識しないと通り過ぎてしまいそうです。
鎧の形が出来ているものはかなり大きく、道も険しく案内が無ければ見つけにくい場所にあります。
「接ぎ木したものが鎧の形になる姿は、今生きている人はだれも見られないね」との声もあり、寂しいようななんとも言えない気持ちになりました。


美しい木目を見られる場所へ
セレモニーで展示されたものは切り株で、皮の反り返りがわかる展示となっていますが、美しい木目を見ることはできません。ぜひ見たいと思っていたところ、大屋町の浄宗寺にあると聞き、お邪魔しました。
製材された鎧松は木目が複雑で美しく、不思議と立体的に光を放つように見えます。
突然の訪問にも関わらず、ご住職は快く長押と製材された鎧松を見せてくださいました。
珍しいもののためたくさんの人に見てもらえるようにと、大工さんがカンナをかけて整え、お寺に寄贈されたそうです。
入口近くに掲げられ説明文も添えられており、これまで大切にされていたことがよくわかります。

取材を通じて様々な場所にお邪魔しますが、大田にはまだまだ知らない貴重なものがあるなと思った一日でした。
2回目ツアーも決定!
今回のツアーが好評のため、2回目のツアーが決定しました。
この機会にぜひ、貴重な鎧松をご覧になって下さい。
開催日時:2026年4月22日(水)9時
集合場所:山の駅さんべ横の駐車場
※長靴軍手をご持参のうえ参加ください。(草むらや急斜面を登ることもあるため)
問い合わせ:大田市林友会 和田秀夫会長(090-1688-0525)


