【ゴールデンウィークイベント】三瓶で羊の毛刈り体験へ!

三瓶町

三瓶山(島根県大田市)の見えるKasagi Fiber Studioで、
羊の毛刈りイベントが開催されました。
Kasagi Fiber Studioは、羊の飼育からウール製品の制作まで行っています。
ここで飼育されているコリデールという種類の羊は、
4月末から一ヶ月くらいかけて毛刈りをするそうです。
羊毛の収穫ということももちろんですが、
羊さんの暑さ対策でもあるのだとか。

ウールのことを広く知ってもらいたいと、
代表でウールテキスタイルデザイナーの
笠木真衣さんがイベントを毎年開催されています。今回で5回目。

ゴールデンウイークのこの日、三瓶は少し肌寒い感じがしましたが、
親子連れなどが中心に約150人が集まりました。

24頭の羊が放し飼いにされているのは
ご自宅兼アトリエのちょうど裏側にある田んぼ。
毛刈りが済んで一回り小さくなった羊たちは、のんびりしています。

いよいよ毛刈り

今日の主役は推定体重60㎏、メスの“みらいちゃん”。
毛が伸びてモコモコしています。
なんだか落ち着かない様子に見えたのは人が多かったせいでしょうか。
何かを察して抵抗するみらいちゃんを、笠木さんが馬乗りになって落ち着かせていました。

最初に寄生虫予防の薬を飲ませてから取り掛かります。
毛刈りをするのはご主人の真人さん。
いつのまにか、みらいちゃんは仰向けになっていて、お腹から顔回りへと毛刈りされていました。
あんなに抵抗していたのに、ご主人に身を委ねてなすがままにされていましたよ。

笠木さんがすぐそばで「みらいちゃん頑張れ~」と応援。
さすが真人さんは何頭も刈っておられるので手つきも鮮やか。
ちょうどお腹や顔の方から背中に向かってはがすように刈っていきます。

毛刈り体験

半分ぐらいが終わったところからは、イベントに集まった方が毛刈り体験をスタート。
大きな糸切りハサミを羊毛の根元に当てたところを切らせてもらいます。
子どもたちは次々に挑戦していました。
「長い!ふわふわ~」「持っているだけで暖かい」という声もありましたが、怖がって泣いてしまう子も。

発掘スタッフも体験させてもらいました。
羊の毛は細かくうねっていてこの隙間が空気の層となり断熱効果もあり温かいのです。
切った毛はふわふわですが、さわると脂がベタベタしていました。
けもの臭があるという人もいましたが、思ったより匂いは感じません。

笠木さんが羊毛を手に取り、引っ張ってねじって見せると羊毛が絡み合って毛糸状に。
その様子に子供たちからは歓声が上がっていました。
この羊毛を丁寧に洗い、ごみを取って乾燥して出荷します。

「すっかり毛皮がなくなった羊は風邪ひいたりしないのですか?」の質問に、
「大丈夫らしいですがお腹が緩くなってしまうことがあります」と笠木さん。

ここでは24頭が飼育されていて、5月に毛刈りを行います。
ほかの地域では、気候などにより秋などに実施されるところもあるそうです。

日本一の三瓶のウール

三瓶の羊の毛は、栄養がいきわたって心身が健康なので、艶がいいし長いのだそうです。
リラックスできてストレスのない環境なのは、このイベントを見ていても良く分かりました。

「ジャパンテキスタイルコンテスト2020年経済産業大臣賞」をはじめ、
「第5回中国地域女性ビジネスプランコンテストSOERU大賞」なども受賞されています。
個体差もありますが、刈るときの羊毛は長さ約12センチ。たくさん食べる羊は毛が長いそうです。

一頭で刈れる羊毛は3.5㎏くらいで洗ってごみを取ると約2㎏。
セーターなら6~8着、マフラーなら20本分になるとか。

一般的には刈り取った羊毛に絡まっている草などのごみは、
熱風を当てて炭化させることで取り除くのですが、笠木さんのところではお湯の中で手洗い。

ごみを取る工程は、丁寧に手で取り除きます。
環境や食べたものなど羊の過ごした一年が読み取れるので好きだと話されていました。

アトリエではジャケットやウール生地などが展示されていました。
どれも手触りが優しくて暖かいものばかり。
自然の色も素敵で懐かしささえ感じられました。

このイベントは今回5回目。
最初は40人くらいの来場だったのが、
どんどん増えて昨年は一度に250人が来場。
今年は、皆さんにしっかり体験してもらおうと、
2日間、午前午後と計4回の開催にされたそうです。

人や羊を癒す三瓶の環境

普段羊の放し飼いをされている場所にお邪魔したのですが、
そこに生える草を食べるためまるで芝刈り機を使った後のようにきれいでした。

毛刈りのあとは羊の糞も肥料として使って米も栽培されます。
育った稲の端の方は羊が食べてしまうこともあるそうですよ。(ひつじ米としても販売)

ここにいる羊たちはとても穏やかで、周りに人がいてものんびり。
羊たちの食事の時間にお邪魔したこともあるのですが、
笠木さんが「めいちゃ~ん、ごはんだよ~」と呼ぶと、
あぜ道を縦に並んでトコトコやってくる様子が何とも言えず可愛らしい。

餌の入っている箱に顔を突っ込んで箱から放射状になっている羊たちはモコモコしていて見ているだけで癒されました。
人を癒す三瓶の環境に羊たちもリラックス。
そして笠木さんの羊さんたちに対する愛情に改めて感激してしまいました。

Kasagi Fiber Studioについて

Kasagi Fiber Studio
笠木真衣さん
島根県大田市山口町在住
ジャパンテキスタイルコンテスト2020年経済産業大臣賞を受賞
第5回中国地域女性ビジネスプランコンテストSOERU大賞
農林水産省「ディスカバー農山漁村の宝」個人部門優秀賞

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