日本遺産の構成文化財にも認定されている石見神楽。
県内の高校では神楽部のある学校がいくつかあります。
島根県立邇摩高等学校 石見神楽部もその中のひとつ。
平成28年に同好会から活動が始まり、その後部活に昇格。
文化祭や邇摩高フェアなど校内のイベントはもちろん、郷土芸能の集い、高齢者の通いの場、地域のまちセン、道の駅ごいせ仁摩での自主公演、企業のイベントでの上演など活動の幅を広げています。
かなり評価も高く、令和5年度には、鹿児島県奄美大島で開催された全国高等学校総合文化祭に、島根県代表として出場されています。
現在は「しまね伝統芸能祭2025高校生神楽フェスティバル」への出場に向けて稽古中。その様子を見せていただきました。
稽古の様子
稽古が行われているのは体育館横の伝統工芸棟の一角。外からも太鼓や鳴り物の音が聞こえてきます。
部室の一部を舞台の6畳の広さに区切ってあり、その奥側で女子部員が演奏を務めています。2人の部員が動きの速い舞を何度も繰り返し、顧問の先生が見守っていました。
練習では舞や動き、口上の確認などに余念がありません。テンポの速い曲でもきちんと神楽の拍子を感じて踊ります。
舞の姿勢や声の出し方、小道具の使い方などを指導するのは卒業生で神楽部のOBです。
衣装を着けないでジャージ姿で舞っていると動きがあからさまになり、それぞれの癖が見えやすくなっている分、先輩からの指摘も具体的。
ひとつの演目が終わるとそのたびに先輩にアドバイスを求める姿が印象的でした。
小さいころから神楽に触れて部活に入部する生徒も多い
大田市や周辺の自治体の社中では、それぞれの場所で個性的な神楽を上演しています。
本来は奉納の意味もある神楽ですが、演目や衣装なども違っていて比べてみるのも興味深い石見神楽。上演される会場では小さな子どもたちが一緒に踊っていたり、見入っていたりという光景は珍しくありません。
小さいころからその音を、舞を見て聞いて育っている部員たち。
大田市内では子ども神楽団もあり、子どもだけの神楽の大会や、神楽体験のイベントなども行われ親しむ機会も用意されています。
部長の坪内さんに始めた時期を聞くと、なんと5歳!
小さいころから好きでずっとかかわっていて、練習を見ていても舞だけでなく、太鼓なども自然にこなしていました。舞は安定感があり筋金入り😊
地元の神楽団に入っていた部員も高校で本格的にやりたいと入部した部員もいます。
地域の社中から指導を受けることもありますが、やはり頼りになるのは先輩OB。
演奏や役なども引き受けることもあるそうです。
「初心者が多いので先輩がいないと成り立たない」と現役部員が教えてくれました。
「感謝」「敬神」「伝統」を大切に
神楽ができることに関わる全ての人に感謝、
見えぬものにこそ敬意を払い、精神を研ぎ澄ませる
人から習得し人に伝えるその繰り返し、という伝統
部室に貼られた「感謝」「敬神」「伝統」の文字に全員で一礼。
稽古の終わりには必ず行うそうです。
取材を終えて
この伝統を次の世代に送り、見守っていく様子がとても頼もしい。
今指導を受けている部員もいつかはそちら側になってつないでいく様子はこれからも続いて行くのでしょう。
その伝統を楽しみにしているのは発掘スタッフだけではありません。
しっかり練習して神楽フェスティバルを楽しんでくれたらいいなと思いました。
高校生神楽フェスティバル9/15開催!!
高校生神楽フェスティバル
開催日時:2025/09/15(月) 11:00
【全席自由・税込】
一般1,000円
高校生以下無料
※未就学児入場可能
※車椅子スペース・磁気ループ補聴器対応エリアをご希望の方は、島根県民会館チケットコーナーへお問い合わせください。
島根が誇る伝統芸能“神楽”。
神楽をこよなく愛し、真摯に向き合う高校生たちによる
高校生が主役のフェスティバル!
≪出演≫
江津高校、邇摩高校、浜田商業高校、浜田養護学校
映像出演:飯南高校、益田東高校、矢上高校
※出演団体・演目は変更になる場合がございます。
島根県立邇摩高等学校 石見神楽部について