【大田市消防本部】堅いだけじゃない消防士の仕事

大田市消防本部のメイン画像素敵な会社特集

一般の人が来るというイメージがあまり無い消防署ですが、実は職員の手が空いていれば誰でも見学OKなんです。ストイックで厳しい職場という印象を、SNSで変えていこうと取り組んでおられる大田市消防本部に取材に行ってきました!

幅広すぎる!? 消防士の仕事

消防士の仕事は消火活動というイメージが強いかもしれませんが、それだけにとどまりません。
救急対応、建物の立入検査、山岳救助、事務作業まで幅広く担当しています。
特に山火事や山岳救助では過酷な体力勝負となることも。ヘリが使えない現場では人力搬送が必要で、仲間同士で支え合いながら任務を遂行しています。
また、火災や救急の現場に駆けつけるだけでなく、日々の広報活動や地域との交流を通じて、市民との距離を縮めています。

消防本部斜めから

消防車が並んでいるところ

SNSで伝える消防士の「横顔」

市民に消防署を身近に感じてもらえるよう、今年から公式Instagramの運用をスタート。約6名の消防士さんが投稿を担当しています。
投稿は訓練の様子や点検、消防車両の紹介、暑熱順化トレーニングや多言語通訳訓練の様子なども投稿しています。
発信内容は管理職のチェックを経て公開。訓練や出動の様子だけでなく、職員の笑顔や交流イベントなど、「堅い」イメージを和らげる投稿も心がけているそう。
中には消防マニアからの細かな指摘もありますが、その指摘さえも活かし、より正確で質の高い情報発信を目指しています。

普段見られない消防士の姿

小学生が授業の一環で見学、地域イベントでの体験コーナーなど、市民と触れ合う機会も豊富です。
屋上での訓練の様子は下からも見えることがあり、お散歩途中の保育園児に応援してもらえることもあるそうです。
今回はその訓練も近くで見せてもらいました。
訓練場は建物の5階にあり、下に安全ネットが張ってありますが、発掘スタッフは見ているだけでも足がすくみます。
そんな中、張ってある1本のロープを伝って軽々と往復される姿は、さすが!の一言。
一般の方でも事前に問い合わせれば見学可能で、タイミングが合えば消防車に乗ってもらうこともできます。
こうした活動が、「消防=厳しい職場」というイメージを柔らかくし、市民に親しみを持ってもらうきっかけになれば、とお話しされていました。
上下関係が厳しいイメージもあると思いますが、災害対応や訓練中以外は他愛もない話でみなさん和気あいあいとされていました。

訓練1

訓練2

訓練3

女性消防士の活躍

近年は装備や車両の軽量化が進み、身体的負担が軽減されたことで、全国的に女性の消防士は増えています。
大田消防署でも1名の女性消防士が、男性と同じ訓練を行い、男性・女性関係なく24時間災害等に備えています。
「見学で来署された子どもたちに、『女性の消防士さんかっこいい』『大きくなったら消防士になりたい』と言われた時は嬉しかったです。
災害出動・訓練・事務作業など体力的・精神的にも辛いこともあります。しかし、様々な業務を通じて「人を助ける」ことができるのが消防士の仕事であり、やりがいだと感じています」
消火活動や救助活動のほか、救急、予防業務、事務など多様な分野で力を発揮し、働きやすい環境づくりが進むことで、女性の採用と定着が期待されています。

119番の向こう側——エマージェンシーコール通信指令員の役割

通報を受ける通信指令員は、通報者から場所や状況を正確に聞き出します。
通報者はやはり慌てている方が多く、一方的に喋られる方も。そこをリードするように会話を成立させ、必要な情報を得るのはなかなか大変な業務です。
この会話の技術は現場同様に重要なので、島根県消防学校において通信指令研修や総務省消防庁が発行しているテキストなどでの研修、自己研鑽で東京都での通信指令シンポジウムなどに参加してあらゆる状況に対応できる体制を整えています。

通信指令室

消防士になろうと思ったきっかけ

消防士歴15年の谷本さんに、消防士を目指すきっかけを伺いました。
「小学生の頃に兄が交通事故で意識不明の重体を負いました。現場で対応した救急隊の方や医療機関の皆さんのおかげで一命を取り止め現在は後遺症もなく元気に暮らしています。
私は幼いころから体を動かすのが好きで、将来はこの得意を活かして人の役に立つ仕事に就きたいと思っていました」

消防士を目指す皆さんに、熱いメッセージもいただきましたよ。
「誰かの困ったときに寄り添い、誰かの助けに応える。消防士の仕事は誰かの気持ちに毎日真剣に向き合うことです。
たとえ体力に不安があっても『人の力になりたい』そんな思いがあればきっと素晴らしい消防士になれます。
現場には頼れる先輩や仲間がいて喜びも苦しみも分かち合いながら日々成長していけます。
あなたのやさしさ、まっすぐな気持ちが消防の現場では大切な力になります。受験を希望される方の挑戦を心から応援しています。
「人助けがしたい」「地域のために働きたい」など、漠然としたきっかけが仕事を選択する際のヒントになります。憧れもそうです。ぜひ、夢に向かって自信を持って試験に挑んでください。

市民へのメッセージ

日頃より、私たちの消防の活動にご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。
私たちは市民の皆さまの生命・身体・財産を守るため日々訓練や防災活動に取り組んでいます。
また各種情報発信にも力を入れており消防のリアルな日常や皆さんに「クスっ」と微笑んでいただける魅力ある発信ができるよう日々頑張っています。
これからも皆さんと一緒に安全で安心な街を作っているよう尽力しますので地域の皆さまの温かいご理解とご協力をお願いいたします。

消防車の後

取材を終えて

普段、消防本部に入るということはありませんが、思ったよりも堅い雰囲気は無いなと感じました。
訓練の現場も、声を掛け合ったりしていい緊張感を保ちつつ、撮影をしているスタッフにも配慮して下さっていました。
取材中にも出動があり慌てる発掘スタッフをよそに、装備を整えて準備を進める様子は落ち着きがあり、まさにプロ。
現場の皆さんとの連携など、日頃の訓練の積み重ねがその糧となっているのを目の当たりにしました。
イベントなどの機会があれば、ぜひ、私たちの生活を守る消防士さんのかっこいい姿を見学に行ってみてくださいね。

お話を伺った際の和やかな皆さんの様子

大田消防本部について

消防本部にかかる幕
住所:島根県大田市大田町大田イ1番地1
電話番号:0854-82-0650
■Instagram

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